脳梗塞になった現役出版局長・真柄弘継が歩んできた人生の軌跡【真柄弘継】連載第11回
【連載】脳梗塞で半身不随になった出版局長の「 社会復帰までの陽気なリハビリ日記」163日間〈第11回〉
◆出版界の荒波にもまれて幾星霜
就活は出版社を希望していたが狭き門のため、普通の会社も受けて夏前には幾つか内定を得ていた。
出版社の選考が始まるのは夏の終わりから秋。
内定をすべて断ってからの受験となり、まさに背水の陣であった。
運良く大日本図書という教科書会社に同期3人と入社できたのは奇跡だったのだろう。
3人の同期のうち2人が取締役となっている。
あのまま残って勤めていても私はせいぜい課長までだったかな。
教科書会社の書籍部門(児童書がメイン)の営業に配属され楽しく仕事をしていた。
児童書の巡回販売で全国の割り当てられた県へ約3ヶ月もの期間を車で移動しながら回るのだ。
各地の書店さんと一緒に、小中学校図書館や市町村の公共図書館へ見本を持って売り歩くのだ。
6年間で北海道や秋田県、岩手県に広島県に島根県に富山県、それらの隣県を回ってきた。
7年目になった年に教科書の営業部門に異動となった。
私は一般の書籍の営業がしたかったから、転職してベストセラーズへと移った。
ベストセラーズでは11年ほど勤めた。
けれど販売促進は3年ほどで、広告部に1年、その後は退社するまで雑誌の編集をしていた。
90年代も終わりの頃に、新創刊のパソコン誌『Cyber globe』で初めて編集者となった。
それから『競馬最強の法則』『おとなの特選街』に従事していた。
編集が嫌だったわけではないが、書店営業に戻りたいと常々思っていた。
社会人となってから得た友人の誘いで、新規の出版社スパイスへ転職したのが30代も終わり間近であった。
友人はコロナ禍の前の年の年末に53歳という若さでこの世を去ってしまった。
彼の名は芝田暁。
文芸編集の世界では知らぬ人がいないほどのヒットメーカーだ。
「紺碧の艦隊」シリーズや、ミリオンセラーとなった『血と骨』を世に送り出した名編集者。
芝田くんが起こしたスパイスは、残念ながら三年と経たずして無くなってしまった。
僅かな期間だったが新規の出版社でゼロから営業をしたことは、私にとって貴重な経験を得ることとなる。
会社がもう無くなるという直前で、なんとか直販の出版社へ転職。
社名を出したくないほど酷い会社だった。
そんな酷い会社に三年ほど勤めた。
在籍している社員は10名ほど。
私が勤めた3年間で23人入社して23人辞めていくという会社であった。
そんな会社でも生活のために身を細らせながら働いた。
3年が過ぎた頃、いまの会社の前任部長から誘われ、ようやくまともな世界に戻ることが出来たのだ。
五つ目となる会社は月刊誌WiLLと書籍を刊行している。
他に広告代理店のクリエイティブな仕事や、自衛隊のDVD、科学ドキュメンタリー番組を制作している、ワック株式会社である。
前任部長が2014年に退社され、2016年にWiLLの編集長と編集部員が会社を去っていき、たいした実績も無い私が、販売部門の長になる。
気がついたら職位が上がって、今の常務執行役員出版局局長なんて大層な肩書きとなっていた。
紙の出版業界は時代の終焉のような有り様。
けれど会社は動画などで収益構造のイノベーションに成功。
私は主に紙の本のための人員として働いている。
いつか書籍で特大のホームラン(ベストセラー)を虎視眈々と狙っている営業マンだ。
それまでは働こうと思っているから、脳梗塞で身体障害者となってもリハビリで復活を目論んでいるのだ。
文:真柄弘継
(第12回「新米身体障害者の私は自宅生活に課題が一杯」につづく…)

◆著者プロフィール 真柄弘継(まがら・ひろつぐ) 某有名中堅出版社 出版局長 1966年丙午(ひのえうま)の1月26日生まれ。1988年(昭和63年)に昭和最後の新卒として出版社に勤める。以来、5つの出版社で販売、販売促進、編集、製作、広告の職務に従事して現在に至る。出版一筋37年。業界の集まりでは様々な問題提起を行っている。中でも書店問題では、町の本屋さんを守るため雑誌やネットなどのメディアで、いかにして紙の本の読者を増やすのか発信している。 2025年6月8日に脳梗塞を発症して半身不随の寝たきりとなる。急性期病院16日間、回復期病院147日間、過酷なリハビリと自主トレーニング(103キロの体重が73キロに減量)で歩けるまで回復する。入院期間の163日間はセラピスト、介護士、看護師、入院患者たちとの交流を日記に書き留めてきた。 自分自身が身体障害者となったことで、年間196万人の脳卒中患者たちや、その家族に向けてリハビリテーション病院の存在意義とリハビリの重要性を日記に書き記す。 また「転ばぬ先の杖」として、健康に過ごしている人たちへも、予防の大切さといざ脳卒中を発症した際の対処法を、リアルなリハビリの現場から当事者として警鐘を鳴らしている。 ◾️ X(旧Twitter) H.MAGARA https://x.com/h_magara ◾️Instagram hirotsugu_magara https://www.instagram.com/hirotsugu_magara/
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◎民主主義国家の政治をいかに動かし統治すべきか?
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「日本は、国論分裂のままにいたずらに時間を食い、国家意志の決定と表明のタイミングの悪さや宣伝下手が災いし、結果的には世界トップ級の経済的貢献をし、汗も流したにもかかわらず、名誉を失うこととなった。
納税者としては政治の要領の悪さがもどかしく悔しいかぎりである。
私は「国力」というものの要件は経済力」、「軍事力」、そして「政治力」だと考えるが、これらの全てを備えた国家は、現在どこにも存在しない。
(中略)
そして日本では、疑いもなく政治力」がこれからのテーマである。
「日本の政治に足りないものはなんだろう?」情報収集力? 国会の合議能力? 内閣の利害調整能力? 首相のメディア・アピール能力? 国民の権利を保証するマトモな選挙? 国民の参政意識やそれを育む教育制度?
課題は随分ありそうだが、改革の糸口を探る上で、アメリカの政治システムはかなり参考になりそうだ。アメリカの政治にも問題は山とあるが、こと民主主義のプロセスについては、我々が謙虚に学ぶべき点が多いと思っている。
(中略)
本書では、行政府であるホワイトハウスにスポットを当てて同じテーマを追及した。「世界一強い男」が作られていく課程である大統領選挙の様子を描写することによって、大統領になりたい男や大統領になれた男たちの人間としての顔やフッーの国民が寄ってたかって国家の頂点に押し上げていく様をお伝えできるものになったと思う。 I hope you enjoy my book.」
(「はじめに」より抜粋)
◉大前研一氏、推薦!!
「アメリカの大統領は単に米国の最高権力者であるばかりか、世界を支配する帝王となった。本書は、連邦議会立法調査官としてアメリカ政治の現場に接してきた高市さんが、その実態をわかりやすく解説している。」

ALL ABOUT THE U.S. PRESIDENTIAL POWER
How much do you know about the worlds’s most powerful person―the President of the United States of America? This is the way how he wins the Presidential election, and how he rules the White House, his mother country, and the World.



<著者略歴>
高市早苗(たかいち・さなえ)
1961年生まれ、奈良県出身。神戸大学経営学部卒業後、財団法人松下政経塾政治コース5年を修了。87年〜89年の間、パット•シュローダー連邦下院議員のもとで連邦議会立法調査官として働く。帰国後、亜細亜大学・日本経済短期大学専任教員に就任。テレビキャスター、政治評論家としても活躍。93年、第40回衆議院議員総選挙に奈良県全県区から無所属で出馬し、初当選。96年に自由民主党に入党。2006年、第1次安倍内閣で初入閣を果たす。12年、自由民主党政務調査会長に女性として初めて就任。その後、自民党政権下で総務大臣、経済安全保障大臣を経験。2025年10月4日、自民党総裁選立候補3度目にして第29代自由民主党総裁になる。本書は1992年刊行『アメリカ大統領の権力のすべて』を新装重版したものである。
✴︎KKベストセラーズ「日本の総理大臣は語る」シリーズ✴︎


